スイッチのない世界
2018/02/10
どこまでやったら終わりが来るのかと
もはやそんなことを考え始めるときりがないので
とにかくひたすら、無心に、という心持ちで
雪かきは進めて行くのがいちばんよいのだろう。
今年の冬はとても厳しく、私たちは零下の気温が続く日々を
島根に住んで初めて体験している。
降り続く雪、水道管の凍結、本当に鍛えられる冬で
自然を前にしては本当に無力な私たちを実感しながらも
すぐに答えが出ないことや、スイッチひとつで解決しないことが
どれだけ人を強く、たくましくしてくれることかと気づいた。
どうしようも太刀打ちのできない自然の厳しさの中にあって
ゆっくりと、じっくりと物事に向き合うことができること
それはとても幸せなことなのではないか、と思う。
便利さを追求することよりも大切なことを
今年の冬は私たちに教えてくれた。
森の椿は雪の重さにしなだれながらも
固いつぼみをじっとたずさえて、
庭の梅の木は雪の中かわいい芽をいくつも出して、
私たちに必ず訪れる暖かい春を
言葉なく教えてくれている気がする。
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