エピソード4
「ライクアンテナ!」(アンテナみたい!)
当時生まれたばかりの長女の髪の毛が
そりたつように立派だった時期があり
毎週立ち寄ってくださっていた
外国人のお客さまがよく笑いながら言っていたことを
今でも覚えている。
熱心に日本語を勉強中のALTの先生で
笑顔がとても印象的な方だった。
任期があるので帰国され今はどこにおられるか
私たちには分からないけれど
こめじるしに立派な髪の毛の赤ちゃんが来てくれると
長女の当時の姿とともに彼女のセリフが蘇ってくる。
エピソード3
来てくださっていたのは、もう数年前のことになるが
鮮明に思い出すおじいちゃんと、おばあちゃんの常連さんがいた。
かなり高齢と見えて、耳の遠いおじいちゃんとおばあちゃん。
いつもこめじるしのコーヒーを美味しい、美味しいと
来てくださるたびにおっしゃってくださってくださっていた。
「運転の更新をしようかするまいか、迷っとるんじゃがね。」
そのセリフを来るたびに言われるようになってから
突然ぱたりと来られなくなった。
しばらくしてから、そのお二人の娘さんだという方が
コーヒー豆を買いによってくださった。
「2人がここのコーヒーが好きなんだけれど、
もう来られなくなったので。」
詳しくは聞かなかったが、もうあのお二人に会えないのだと思うと
とても寂しい気持ちになった。
それでも、「おいしい」と言ってくださった
おじいちゃんとおばあちゃんの気持ちと言葉は
私たちの中にずっと響いている。
新年明けましておめでとうございます。
今年もこめじるし、食堂ソイルともに
どうぞよろしくお願いいたします。
例年になく早い積雪の影響が長く続いたこめじるしでしたが
年が明け、やっと落ち着きを取り戻してきました。
今年も続けてエピソードをつらつらと書いてみたいと思います。
よろしかったらお付き合いくださいませ。
エピソード2
こめじるしを始めてすぐの頃、
急須をお買い上げいただいたお客さまがおられた。
まだ不慣れな私は、梱包途中にうっかりその蓋を袋に入れ忘れ
蓋がない本体のみをお渡ししてしまい
気づいたのはお客様の車が出てしまってからだった。
お名前も、ご住所もお伺いしていない。
本当に取り返しのつかないことをしてしまったと思った。
数日経って、お客様からご連絡があった。
ただただこちらは平謝りするしかなく、ご住所をお聞きした上で
お詫びの品、手紙とともに商品を郵送させていただいた。
とてもお優しいお客様で、怒ることなく対応してくださったばかりか
その後も何度もこめじるしに足を運んでくださるようになった。
失敗はあってはいけないけれど、誠意を持ってお客様に接することも
同じくらい大切だと思うようになった。
エピソード1
今から7年前の秋。こめじるしオープン初日。
第1号のお客さまは、前職でお世話になった上司とその奥さまだった。
お二人が入って来られてから、どんな様子で、何を頼んでくださったかを
今も覚えているということは、それほどにうれしく、緊張感に包まれていたのだろう。
オーダーを受けてマフィンを温め終わったものを
いそいそと席に持って行こうとした私を
「まだ早すぎるんじゃない」と主人が制してくれた。
来てくださったお客さまに対する
「間合い」について考えたのは、その時が初めてだったと思う。
エピソード 0
こめじるしを始めて8年目。
新しいお店をオープンして、新しい毎日がスタートした中
何だか私たちがこめじるしをオープンしてからの
日々あった大切なできごとを忘れてしまいそうで
しかしそれらが今のこめじるしを作っていると思うと忘れたくなくて
ここに書き留めておくことにしました。
しばらくは日々の徒然の日記の代わりに
こめじるしがオープンしてからのいろいろなできごとを
エピソードとして思い出しながら書いてみようかと思います。
よかったら、お付き合いくださいませ。
日常と奇跡
子供たちを連れてのこめじるしと新店舗同時営業の日、
ふとこめじるしの窓の外を眺めると
子供たちがエントランスで「だるまさんが転んだ」をしていました。
子供サポートとして新たにスタッフとして加わってくださったHさんと
お客様で来られた方が一緒に子供たちの相手をしてくださっていて
子供たちは本当に楽しそうに
大きな声をあげながらはしゃいでいます。
その光景を眺めているとなぜか涙がこみあげて来て
それが感謝の気持ちなのか、喜びなのか、
想像の中にあることなんて実はひとつもないのではないかと
感慨深く思ってしまったのでした。
新店舗とこめじるしのオープンから半月が経ち
ジェットコースターに乗っているような毎日が過ぎています。
今までの夫婦2人のこめじるしの営業とは違い
新店舗を新しい仲間とともに運営するということは
まさに未知の世界で大変さとともに
全く別の楽しさや喜びがあるものだと感じています。
不安がないかと言えばもちろん嘘になりますが
これまでこめじるしを続けてこられたことも
想像もしていなかった常連さんや支えてくださる方たちのおかげで、
やはり「続けること」でその方たちに返せるものはないかと
強く思うことが大きな力になっているような気がしています。
まだまだこれから。
日々を楽しむことを、新しい仲間とともに分け合いながら。