こめじるし
過去の日記
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こめじるし

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おおじいじと種

2020/07/6

私の父方のおおじいじ(祖父)は91歳になるがとても元気だ。

お酒を飲みながら人と話すことと

畑で野菜を育てることが生きがいだと言う。

 

「わしゃー、毎日種と芽のことを考えちょる。

今日蒔いたあの種が何日には出るだろう思うて、そればっかり考えとるんじゃ。

そいじゃがの、こないだ蒔いた種がいっそ芽を出さんことがあってから

そうしたら横の方から思わんところから芽が出とったんじゃ。

あー、人生ちゅうのうのはそういうことかも分からん思うての。

ほんにおもしろいわ。」

 

私が実家にいた頃ほどの元気はなく、体も随分と衰えたおおじいじ。

だけれど小さな種を蒔き、その成長を見つめながら

きらきらした目をして暮らしている。

 

私がもし同じぐらいの年齢まで生きられたとして

どんなことを思うのだろうか。

その時きっと、おおじいじの言葉を思出だすだろう。

 

種をまき、それが芽を出し、成長すること。

そのことは野菜作りという言葉ではくくれない

じいちゃんの言う生きることの真理が

つまっていることのような気がしてならない。

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花と子ども

2020/06/22

子どもたちはいつも花を摘んでは持って帰ってくる。

その花たちがいつもみとれるほどきれいではっとする。

 

子どもたちがいると大変なことが多いけれど

大人だけでは生まれないことばかりで

 

うっかりしていると見過ごしそうな

小さな感動が日常にはあふれている。

 

 

 

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においといろ

2020/05/23

離れていてもできることがこの数ヶ月間でたくさんふえた。

オンラインという便利な方法を使えば

今まで遠くてあきらめていた講座やライブだって

楽しむことができる。うれしいし楽しい。

 

このところ言葉のふえた1歳の次女を見ていて

こんなにも変化している世の中で

この子が大人になった時にはどんな世の中になっているだろうと

あれやこれや想像をめぐらせてみる。

 

きっと今私たちが考えている物事に対するベクトルも

「昔はね。」と振り返る時が来るのだろう。

 

そんなことを考えながら

ふとこめじるしの森を眺めると

何度見てもはっとする緑や黄緑や黄色の

色とりどりの色彩と光が美しく揺れていて

 

川の音とその木々たちや土から香る

豊かな匂いが風と一緒に流れてくる。

 

このにおい、いろたちが変わる時はきっと来ない。

だからこそ子供たちに覚えていてほしいなと思う。

オンラインでも届けることができない

ここにしかない「におい」と「いろ」たちを。

 

 

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しこをふむ日々

2020/03/31

目の前にあることをこつこつと続けることを

「しこを踏むように。」という言葉で表現されたお客様がおられた。

 

私たちのお店は小さくて、夫婦2人で本当に良いと思うことを

ただただ誠意を持って続けることを大切にしていて

世の中が不安定な今、そのことの強さをひしひしと感じている。

 

まずは家族が美味しいと言ってくれるものを作って

家族が楽しいと思えるくらしを営んで

そこからお客様に丁寧に伝えて

お客様からまた大切なことを受け取って。

 

時に大きく何かを動かすことに繋がらないもどかしさが

おしよせることがあっても

深呼吸するようにまたもとの姿勢に戻って

 

それはやはり「しこを踏む」ように

ただただくりかえし続けていく。

 

こめじるしに通ってくださる方のことを思って

今日も粛々と、美味しいコーヒーと美味しい焼き菓子のことを考えて。

 

 

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冬と落書き

2020/01/21

この冬は雪がないので「こわいような気がするね。」なんて

お決まりの話をお客さまとしたりして

本当なら白い帽子をかぶっているはずの山々も

遠くの方まで頂上の様子を見ることができるほど。

 

「こんな年は山に水がなくてこまるだろう。」

「きっと楽なかわりに何かが起こるよ。」

何だか疑心暗鬼な心持ちが人の中に蔓延しているようで

森にある狂い咲きの椿を眺めてはどきどきしたまま

家に帰ると子供たちが帰ってきて

1歳の次女を抱っこすると

手のひらいっぱいに色とりどりの油性ペン。服の袖までも。

 

「もーちゃんが油性ペンのフタあけたけー。ごめん。」と長女。

次女はにこにこ満面の笑顔。

そんなささいなこと。でも、何だか心が晴れた心地がした。

 

 

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カマキリとお墓

2019/11/12

閉店後、いそいそと家に帰る支度をしていると

駐車場で生き絶えてしまったカマキリがいるのを見つけて

「おかはを(お墓を)作らんといけん。おかはを。」と3歳の長女。

 

木の枝を2本拾ってきて、箸のようにカマキリを挟んで

車が踏みそうにない場所を見つけ穴を掘る。

中にそれを埋めてあげたあとは、お花をつんできて

「1本じゃ寂しいじゃろ。もう1本いる。」とまた探しに行き

つんできたお花を丁寧に埋めた場所に植えた。

 

その様子を眺めながら、私は先を急ぐことをやめた。

彼女にはその時、お墓を作ることが何よりやらなければいけないことで

私が帰って夕飯を作ることよりも、家事をすることよりも

大切なことのような気がした。

 

次の日お店に行くと、駐車場の端にお墓のそばに植えられた

昨日のお花たちがそよいでいた。

それを見た時、しばらく見つめていたいような

何ともあたたかな気持ちになった。

 

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ドライブと偶然

2019/08/29

次女が産まれ毎日がジェットコースターのように過ぎていく毎日。

それでも私にとってこめじるしという空間は

お菓子づくりで頭をきりかえられたり

お客様とお話させていただいたり

ますます大切な場になっていると感じる。

 

先日実家に帰省した際のこと、

家でゆっくり過ごしていると長女がどうしても出かけたいと言う。

お昼寝の時間でもあったので眠たさもあるのかなと

車に乗せて少しドライブすることにした。

しばらくするとやはり彼女はうとうとし始め

もうしばらく車を走らせよう、どこに行こうかという話しに。

 

「昨日、店構えの気になるお店がこのあたりにあった。」と主人。

「そういえば、お店のお客さんで素敵なお店がこのあたりにあると教えてくれた。」と私。

調べてみるとそのお店は同じ店で、そこから数分ほどの距離にあることが分かった。

 

眠りかけていた長女もお店に着くと目を覚まし

店内の可愛らしいマスキングテープたちに目を輝かせていた。

店主さんとお話させていただくと、ご実家が島根県にあるとのこと。

今度ぜひ寄りますね、と新しいご縁ができた。

 

子供たちのこと、お店のこと、考え出すときりがない中で

想像の域を超えて何か新しい道がふっと見えることがある。

思えばこめじるしというお店は、そんな偶然に恵まれて存在している気がする。

 

今目の前にある大切を、大切に。肩の力を抜いて過ごすことも

新たな道しるべになるのではないかと娘に教えられた気がした。

 

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