エピソード11
土と人間
komejirushi
たかきびの種をまき、苗をたてて
さてどこに植えようかと考えていたら
ほんとうにありがたいことにタイミングよく
こめじるしの裏にある畑を使っていいよと言ってくださり
無事植えられるはこびとなった。
さあ植えるぞと、ふたりではりきって始めた閉店後16時。
甘くみていた苗箱6箱の苗たち。
ひたすら穴をほり、液肥を入れては苗を植える作業は
想像以上に大変な作業だった。
最初はあれやこれやと話しながら植えていたが
後半は子供たちのお迎えの時間もさしせまり
二人とも無言。ひたすら穴を掘っては植える。
汗をかき、とびかう虫たちをふりはらい
はたと何だかお腹の底から笑いがこみ上げてきた。
何をしているんだろう?
その瞬間が何だか痛快でもありこれだという感覚があった。
苗をたて、伸びたら植えて、土を耕し、肥料をまいて、植える。
自然のペースで、ただ自然に向かう行為は何も考えることはいらない。
今必要としていることはこれかな。なんて思ってしまった。
何のためと言われれば困るけれど、自然のペースで
自然と一緒に動くこと。これがわくわくしてしょうがないのである。