エピソード11
偶然と必然
komejirushi
「印刷物は本当に力を持っていて時間を超えていく。
それがたまたま誰かに見られ、
その人の記憶や何かと照合してくれればいい。」
何気なく雑誌をめくっていたら
写真家 森山大道の言葉が目にとまった。
そういえば、これまでの人生で
「たまたま出会ったもの」の方が自分に大きな影響を与えているような気がする。
何かを求めて探そうと思うと簡単に見つけられる時代だけれど
偶然は求めても得られない。
何もが無駄をなくし、簡略化する時代にあって
必要なものを、必要な分だけ手に入れられる今。
必要なものって何だろう。それは誰が決めるのだろう。
余剰から生まれるものや、無駄に思えるものの中に
実は大切なものが転がってはいないだろうか。
時代の流れに、大切なことまで流されそうな心地がするけれど
偶然の楽しさ、無駄なように思えることの中にある意味までも
捨てずにいたいなと思う今日この頃。