こめじるし
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真夜中の蛍

2018/06/19

夜、家のまわりを1周歩くとよく眠れるからと

毎日の夜中の散歩を欠かさない92歳のおじいちゃん。

 

先日、朝起きた2歳の娘に

「蛍をつまかえたんじゃが袋から出てしもうたー」と寂しそうに話しかけてきた。

聞けば夜の散歩中に、娘のために蛍をつかまえて袋に入れたのだが

穴が開いていたらしくそこから逃げてしまったらしい。

「まだそのへんにおるかもしれんでー」と言うが見当たらない。

 

その前に、めっぽう最近弱ったと言うそのおぼつかない足で

よくぞ暗闇の中飛び回る蛍をつかまえたものだと思った。

その様子を想像すると思わず笑いが出そうになる。

蛍を追いかけてあちこち追いかけ回っただろう。それも真夜中に。

 

そこには、愛しかない。ひ孫への。

そんなひいじいちゃんと一緒に暮らせる娘は、間違いなく幸せである。

 

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森の風景

2018/05/7

芽吹きたての葉が生い茂る青々とした森の入り口に

1輪だけ鮮やかなピンク色の椿が咲いていた。

位置も色合いも完成されすぎていて思わず見惚れる。

 

その椿が咲いている枝は

冬の間中降り続く雪の中にずっと埋もれていて

もう折れてしまったかと思うほどしなだれていた。

今年は重い雪のせいかその椿の木も弱り

咲かせたのはその1輪だけ。

しかも一番にしなだれていた枝の先。

 

その木に感情はない。

けれども計り知れない自然の力とメッセージを感じる。

どんなに厳しい環境下でも耐え続け、

たった1輪人の目を奪うほどの美しさで咲いた。

 

これだから、自然とともに生きたいと思う。

長い冬を越え、声が聞こえそうなほどの勢いで芽吹く木々たち。

そんな変化は四季折々、季節ごとに起こる

ありふれた自然の出来事。

けれどもどんな映画を見るよりも、どんな小説を読むよりも

ドラマチックに思えてならない。

 

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スイッチのない世界

2018/02/10

どこまでやったら終わりが来るのかと

もはやそんなことを考え始めるときりがないので

とにかくひたすら、無心に、という心持ちで

雪かきは進めて行くのがいちばんよいのだろう。

 

今年の冬はとても厳しく、私たちは零下の気温が続く日々を

島根に住んで初めて体験している。

降り続く雪、水道管の凍結、本当に鍛えられる冬で

自然を前にしては本当に無力な私たちを実感しながらも

すぐに答えが出ないことや、スイッチひとつで解決しないことが

どれだけ人を強く、たくましくしてくれることかと気づいた。

 

どうしようも太刀打ちのできない自然の厳しさの中にあって

ゆっくりと、じっくりと物事に向き合うことができること

それはとても幸せなことなのではないか、と思う。

 

便利さを追求することよりも大切なことを

今年の冬は私たちに教えてくれた。

 

森の椿は雪の重さにしなだれながらも

固いつぼみをじっとたずさえて、

庭の梅の木は雪の中かわいい芽をいくつも出して、

私たちに必ず訪れる暖かい春を

言葉なく教えてくれている気がする。

 

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新年明けましておめでとうございます。

2018/01/7

今年は雪のない年末年始となった。

雪かきもなく車も問題なく行き来できるので

生活する上では助かっているのだが

一面銀世界のはずの景色がなく

荒涼とした森と澄み渡った晴れ空を見ていると

どうも、それはそれでそわそわするのはなぜだろう。

 

お店の年末最終日、年明け一日目と

常連さんたちのたくさんの顔が見られほっとした。

今年はこめじるし4年目に入る。

今までに積み重ねたものもあるのだろうけれど

新年を迎え、お店のことを思うたびに

私たちははじまりの時と同じ気持ちでいる。

 

こめじるしに来てくださったお客様お一人お一人が

心地良いと感じてくださるように

私たちはただそれだけを大切にしたい。

 

からっと晴れた晴天が続き人間は心過ごしやすいけれど

自然はそれをどう受けとめているだろうか。

 

ものごとの本質を見つめることを、

現状の楽しさやうまくいっていることに甘えてやめないで

どんなときも背筋をしゃんとしていたい。

そんなこめじるしを

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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蛇の盗み聞き

2017/09/28

その時まさか頭の上で蛇が話を聞いていようとは

想像もしていなかった。

 

古い家に住んでいた頃に部屋の中に蛇がいて

それはそれは驚いたというお話を

お客さんから聞いたその数日後、

何かの気配がしてふとお店の天井を見上げると

とぐろをまいた蛇の真白いお腹が梁からはみ出していたのだった。

 

梁の上にいるものだからどうにも手の出しようがない。

営業中に上から落ちてきては、という心配はあったが

そのまま様子を見守るしかなかった。

 

次の日も、その次の日も蛇はそこにいた。

よほどとぐろをまくに具合が良い場所だったのだろう。

考えようによっては、ねずみなどや害虫などを退治してくれる

強い守り神なのでは、と考え始めた頃

蛇は私たちが知らなかった梁と壁の間の穴から

静かに出ていってしまった。

 

昨年は、森にある巣箱にヤマガラの夫婦が卵を産んだが

ものの数日で蛇に襲撃されてしまい

悲しい思いをしたのであったが

巣箱の位置と行動範囲からして

もしかしたら同じ蛇なのかもしれない。

 

けれども、と考えた。

この森の近くにお店を作り過ごしている私たちは

蛇から言えば後から来たじゃまもの。

見れば「こわい」だの、餌を食べれば「ひどい」だの

何と人間は勝手なのだと思われているかもしれない。

 

今は盛りの森の緑が美しい季節。

あと1ヶ月もすれば紅葉が美しい季節へと移ろう。

私たちはその森の恩恵を受けて今この店を営んでいる。

自然のおかげ。それは緑だけではなくて

この森に過ごし、生かしてくれている生き物すべて。

今日も森からの風は心地よく、木の匂いが濃い。

ここにはたくさんの命が集まっていると思えば

また森を眺める目も、新鮮に映る気がした。

 

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3年目への感謝

2017/07/18

こめじるしも7月で3年目に入り、

2周年記念ランチをさせていただいたこの連休中

たくさんの方が足を運んでくださった。

 

帰省された子供さんがご家族と一緒に。

常連さんがふだんは来られないご友人の方と一緒に。

1年前に来てくださった方がまた別の方と。

 

何度か足を運んでくださる方もだんだんと増え

1年目より2年目、2年目より3年目と

顔の分かるお客様が増えてきたことがうれしい。

 

さらにうれしいのはそんな風に一度来られた方が

また別の方を連れて来てくださり、

そこからご縁がさらに広がるということ。

 

こめじるしを訪れた方にとって

「誰かを連れてきたくなる場所」となっているなら

本当にありがたいことだ。

 

丸2年こめじるしを続けて、

その間にはさまざまな出会いやできごとがあった。

 

今こめじるしに来てくださるお客様や

これから来たいと思ってくださる方へ

とにかく「続けること」で感謝を伝えたい。

 

きちんとひとつひとつのものを選ぶこと。

丁寧にそれらをつくりあげ、送り出すこと。

そんなことを大切に。

 

何よりこめじるしに立つ私たちが楽しんでいられるように。

あたたかな気持ちでこめじるし2歳の誕生日を終えた。

 

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森のできごと

2017/05/10

ゴールデンウィークはたくさんの方に出会うことができた。

日常とは違うリズムの毎日に

私たち自身が発見することも多いひとときであった。

 

1歳半になる娘とも、忙しい日はなかなか一緒に過ごすことができず

他の家族に見てもらう日が続いた。

 

さすがに数日そんな日が続くと、娘も寂しいかな

ちょっと無理をしてでも一緒に過ごそうかな。

そんな思いから、その日は娘をお店に連れて行った。

 

厨房に入れるといろいろなものに手を出し

火を扱う場所では何度もひやひやする。

レジまわりでは小銭を持ち出しお客さんに配り始める。

器の近くで走り回る。やはり、大変。

 

合い間を見て、森に連れ出した。

歩くのが楽しくてしょうがない時期。

森で遊ぶのが大好きで大はしゃぎする娘。

座り込んで石を眺め始めたので、私も横に並んで座る。

 

すると、娘が両手を組み合わせて何かを訴えてきた。

横には渦を巻いた模様の石。

「でんでん虫?でんでん虫って言っとるの?」

娘が笑って、うんうんとうなずいた。

まだ言葉がうまくでない娘は、渦を巻いた石を見て

でんでん虫みたいだと、ジェスチャーで伝えてきたのだった。

 

私はうれしくてしょうがなかった。

言葉が出ないだけで、娘は想像以上のことを記憶し理解している。

そしてふと気づいた。

寂しかったのは娘じゃなくて、私だった。

 

少しの間一緒に過ごさない間にも、娘はかなりのスピードで成長していた。

どんなに大変な思いをしても、疲れても

娘と一緒にいれば、一緒に笑えればそれだけでうれしい。

 

きっと、こんなひとときは人生の中で一瞬。

できるだけ一緒にいよう。娘を見ていよう。

そんなことを思いながら、今年の連休は終わった。

 

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