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エピソード3

komejirushi

来てくださっていたのは、もう数年前のことになるが

鮮明に思い出すおじいちゃんと、おばあちゃんの常連さんがいた。

かなり高齢と見えて、耳の遠いおじいちゃんとおばあちゃん。

いつもこめじるしのコーヒーを美味しい、美味しいと

来てくださるたびにおっしゃってくださってくださっていた。

 

「運転の更新をしようかするまいか、迷っとるんじゃがね。」

そのセリフを来るたびに言われるようになってから

突然ぱたりと来られなくなった。

 

しばらくしてから、そのお二人の娘さんだという方が

コーヒー豆を買いによってくださった。

「2人がここのコーヒーが好きなんだけれど、

もう来られなくなったので。」

 

詳しくは聞かなかったが、もうあのお二人に会えないのだと思うと

とても寂しい気持ちになった。

それでも、「おいしい」と言ってくださった

おじいちゃんとおばあちゃんの気持ちと言葉は

私たちの中にずっと響いている。

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