エピソード11
エピソード1
komejirushi
今から7年前の秋。こめじるしオープン初日。
第1号のお客さまは、前職でお世話になった上司とその奥さまだった。
お二人が入って来られてから、どんな様子で、何を頼んでくださったかを
今も覚えているということは、それほどにうれしく、緊張感に包まれていたのだろう。
オーダーを受けてマフィンを温め終わったものを
いそいそと席に持って行こうとした私を
「まだ早すぎるんじゃない」と主人が制してくれた。
来てくださったお客さまに対する
「間合い」について考えたのは、その時が初めてだったと思う。