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おおじいじと種

komejirushi

私の父方のおおじいじ(祖父)は91歳になるがとても元気だ。

お酒を飲みながら人と話すことと

畑で野菜を育てることが生きがいだと言う。

 

「わしゃー、毎日種と芽のことを考えちょる。

今日蒔いたあの種が何日には出るだろう思うて、そればっかり考えとるんじゃ。

そいじゃがの、こないだ蒔いた種がいっそ芽を出さんことがあってから

そうしたら横の方から思わんところから芽が出とったんじゃ。

あー、人生ちゅうのうのはそういうことかも分からん思うての。

ほんにおもしろいわ。」

 

私が実家にいた頃ほどの元気はなく、体も随分と衰えたおおじいじ。

だけれど小さな種を蒔き、その成長を見つめながら

きらきらした目をして暮らしている。

 

私がもし同じぐらいの年齢まで生きられたとして

どんなことを思うのだろうか。

その時きっと、おおじいじの言葉を思出だすだろう。

 

種をまき、それが芽を出し、成長すること。

そのことは野菜作りという言葉ではくくれない

じいちゃんの言う生きることの真理が

つまっていることのような気がしてならない。

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