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スイッチのない世界

komejirushi

どこまでやったら終わりが来るのかと

もはやそんなことを考え始めるときりがないので

とにかくひたすら、無心に、という心持ちで

雪かきは進めて行くのがいちばんよいのだろう。

 

今年の冬はとても厳しく、私たちは零下の気温が続く日々を

島根に住んで初めて体験している。

降り続く雪、水道管の凍結、本当に鍛えられる冬で

自然を前にしては本当に無力な私たちを実感しながらも

すぐに答えが出ないことや、スイッチひとつで解決しないことが

どれだけ人を強く、たくましくしてくれることかと気づいた。

 

どうしようも太刀打ちのできない自然の厳しさの中にあって

ゆっくりと、じっくりと物事に向き合うことができること

それはとても幸せなことなのではないか、と思う。

 

便利さを追求することよりも大切なことを

今年の冬は私たちに教えてくれた。

 

森の椿は雪の重さにしなだれながらも

固いつぼみをじっとたずさえて、

庭の梅の木は雪の中かわいい芽をいくつも出して、

私たちに必ず訪れる暖かい春を

言葉なく教えてくれている気がする。

 

写真 2018-01-13 12 37 41

 

 

 

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